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つくり手の想い・技術がこめられた
ジーンズ・Tシャツ・アクセサリー・手作り腕時計など…
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ブランド

graphzero(グラフゼロ)−倉敷・児島の新進デニムブランド!鈴木徹也さんほか、ジーンズの生地・染色・加工のプロたちが結集して手がける、オリジナルジーンズ、トップス
graphzero(グラフゼロ)
ジーンズ / トップス / etc.
レディース
禅(ZEN)−京でん代表・竜田昌雄さんがプロデュースする京都発和柄ブランド。連綿と継承されてきた京友禅や染色の匠の技を、手描きジーンズや手染めTシャツなど、ファッションを通じて発信
"禅" 京都発和柄ブランド
ジーンズ / トップス / etc.
YoriTo(ヨリート)−日本古来の伝統文化を過去から現代へ…日本伝統の染色技法や素材を生かした、新しい「和」のファッションブランド。京都発ブランド「禅」「達磨」を手がける京でんが展開
YoriTo(ヨリート)
ボトムス・トップス
「繭」−創業から100年以上の歴史のある京友禅の老舗・丸益西村屋さんが手がける、実際に使用されてきた伝統柄を生かした手染め和柄Tシャツ・草木染めジーンズ
京友禅 丸益西村屋「繭」
Tシャツ / 長袖 / ボトムス
京都の天然染め工房 手染メ屋・青木正明さんのオーガニックコットン天然染めTシャツ、天然染めジーンズ・ボトムス。天然染料の優しい色あいに癒されます!
手染メ屋 天然染め工房
半袖/ 長袖/ ボトムス/ etc.
銀工房AramaRoots(アラマルーツ)−京都・大山崎のシルバーアクセサリー作家・加藤心姿さんが手がけるブランド。手の込んだギミックを組み込んだアクセサリーや京都の和柄を生かしたアクセサリーを展開
銀工房AramaRoots
シルバーアクセ / 和柄ノ京銀
SEED 絵師・杉田扶実子−日本画の伝統や技術を確かに受け継ぎつつ、どこかに「遊び心」を加えた独自の作風の和柄手描きTシャツ・トップス
SEED 絵師・杉田扶実子
和柄手描きTシャツ/パーカー
saya1003−きものデザイナー・岩野沙綾香さんによる、やわらかな色調とタッチで描かれた、創作和柄の手描きTシャツ!
saya1003 岩野沙綾香
和柄手描きTシャツ
rolca on the notes(ロルカ オン ザ ノーツ)−倉敷・児島のナチュラル普段着ブランド!オーガニックコットンや上質のリネンなどナチュラル素材を使用したトップス・ワンピース・スカート・ボトムス
rolca on the notes
ワンピ /トップス /ボトムス
waltz for rolca
DEEP BLUE(ディープブルー)−倉敷・児島のレディースデニムブランド!穿くたびに、着るたびに身体になじみ、その人だけの色あいに変わっていく…日常に寄り添う服づくり
DEEP BLUE
ボトムス / トップス
備中倉敷工房−ジーンズの本場・倉敷ならではのインディゴ染めのほか、本藍染めや黒檀染めといった天然染め、刺子などの伝統的な生地など、「次なる伝統」を意識した技法・素材を生かした服づくり
備中倉敷工房
ボトムス・トップス
KS(ケーエス)−日本の手作り腕時計の先駆者、JHA・日本手作り腕時計協会代表 時計作家 篠原康治さんの手作り腕時計
"KS" JHA代表・篠原康治
手作り腕時計
渡辺工房−時計作家・渡辺正明さんが手がける、手作りならではの味わい深い表情、温かみがあふれた腕時計・懐中時計作品。素材には真鍮やシルバーを用いています
渡辺工房
渡辺正明・手作り腕時計
“GaTa”watch smith−時計作家・潟口真功さんが手がける、真鍮やシルバー、銅といった金属を手作業で加工し組み上げた、重厚感あふれる手作り腕時計
"GaTa"watch smith
潟口真功・手作り腕時計
東京・高円寺にて中野貴臣さんが手がける手作り腕時計ブランド“cota”(コタ)。アクセサリー制作の技術を応用して、真鍮やシルバーなどの素材でほとんどのパーツを手作りで制作した手作り腕時計・手作り懐中時計
cota(コタ)
中野貴臣・手作り腕時計
joie infinie design(ジョイ アンフィニィ デザイン)−“終わらない喜びを創り出す”…そんな想いを込めて制作された、大護慎太郎さんによる手作り腕時計
joie infinie design
大護慎太郎・手作り腕時計
Mari Goto(マリゴトー)−「かっこいい」と「かわいい」の共存がコンセプトの、時計作家・後藤麻理さんによる手作り腕時計
Mari Goto(マリゴトー)
後藤麻理・手作り腕時計
Gothic Laboratory(ゴシックラボラトリー)−デザイナー・柳井幸平さんと時計作家・後藤麻理さんによる“remaining time〜残された時間〜”がコンセプトの手作り時計ブランド
Gothic Laboratory
手作り腕時計
ARKRAFT(アークラフト)−時計作家・新木秀和さんが手がける、腕時計の伝統的・普遍的デザインを踏襲しつつ、手作りならではの味わいや温かみを融合させることを常に意識して制作された手作り時計ブランド
ARKRAFT(アークラフト)
新木秀和・手作り腕時計
ipsilon(イプシロン)−「一瞬の感覚を大切にし、その瞬間の感性で形にする」−時計作家・ヤマダヨウコさんによる手作り時計ブランド
ipsilon(イプシロン)
ヤマダヨウコ・手作り腕時計
vie(ヴィー)−滋賀のアクセサリー工房が新たなオリジナルブランドとして立ち上げた、カジュアルでお手頃価格が魅力の手作り腕時計
vie(ヴィー)
手作り腕時計
poussette(プセット)−がまぐち作家・小川大介さんが希少な輸入生地やデッドストック生地を独自の感性でセレクトして制作した、がまぐち・がまぐちバッグ
poussette(プセット)
がまぐち / がまぐちバッグ
革工房PARLEY(パーリィー)−厳選された上質な革素材と、その素材感を生かす職人の技術で、シンプルでありながら存在感のある革製品を制作
革工房PARLEY(パーリィー)
レザー製財布・バッグ・小物
達磨(だるま)−本印傳や本藍染め・柿渋染めを施したレザーなど、「和」の伝統と文化を織り交ぜた素材を用いて、ウォレットや革小物を中心に展開
達磨(だるま)
革財布・和小物
『お客様の誇りになる物創り』をコンセプトに日本製にこだわりながら、革小物を中心に展開するブランド”COTOCUL”(コトカル)。
COTOCUL(コトカル)
革財布・革小物
garage(ガラージ)−ダブルガーゼシャツをメインに、デザイン・パターン・縫製・染色など、服づくりの工程ほぼ全てを自ら手がけるガーゼ服工房
garage(ガラージ)
ふわふわ手作りガーゼ服
biancabianca(ビアンカビアンカ)− キャンドル作家・秋澤真衣子さんの手作りキャンドル。空や海、惑星などがモチーフのインテリアにもぴったりなキャンドルを制作されています。
biancabianca 秋澤真衣子
手作りキャンドル
nuri candle(ヌリ キャンドル)− キャンドル作家・福間乃梨子さんの手作りキャンドル。幻想的な絵本のような世界観のキャンドルを制作されています
nuri candle 福間乃梨子
手作りキャンドル
オリジナルの手すき和紙を主素材に、厳選された素材の魅力を十分に活かした、シンプルながらも表情豊かな、田畑教次さん作の和紙照明。
あかりデザイン工房
田畑教次さんの和紙照明
ORGANIC GARDEN(オーガニックガーデン)−オーガニックコットン(有機栽培綿)を使用し、脚を優しく包んでくれる靴下たち…「靴下の街」奈良県広陵町生まれのブランド
ORGANIC GARDEN
オーガニックコットンの靴下
IMPROVE MYSELF(インプルーブ マイセルフ)−東京・北千住にて、シブヤ製靴の桑原孝昌さんがデザインする、革靴・レザーシューズ・レザーブーツの町工場ブランド。
IMPROVE MYSELF
革靴・レザーブーツ
Dady(ダディ)−革製品の集積地である東京・元浅草にて、レザーベルトやウォレットを中心に手がける三竹産業さんの町工場ブランド。
Dady(ダディ)
レザーベルト・ウォレット
ANNAK(アナック)−オリジナルの洗い加工、手縫い、手磨きなどの丁寧なハンドワークで仕上げたレザーウォレット、レザーベルトなどを展開する、東京・元浅草の三竹産業さんの町工場ブランド。
ANNAK(アナック)
レザーウォレット・ベルト
sasakihitomi アクセサリー作家・佐々木ひとみ−生き生きとした動物・自然をモチーフにした、女性らしくノスタルジックな雰囲気の手作りアクセサリー・ピアス・ネックレス・リング
sasakihitomi 佐々木ひとみ
手作りアクセサリー
“sasakihitomi”佐々木ひとみさんと加藤由将さんの2人のアクセサリー作家による
ヘアアクセサリーブランド「二月」(ふたつき)
二月(ふたつき)
手作りヘアアクセサリー
エス 三浦砂織−透かし彫りなどの技法によって桜や蓮を表現した、優雅で繊細な和柄手作りアクセサリー・ネックレス・ピアス・リング・指輪
エス 三浦砂織
和柄手作りアクセサリー
haru nomura 草木染め作家・野村春花−茜や藍、柘榴、ログウッドなどの天然染料で染めたバッグ、ウッドビーズのアクセサリー・ネックレス・ブレスレット・ピアス・イヤリング
haru nomura 野村春花
草木染めバッグ・アクセ
moge(モゲ)山口光司−コンセプトは“身に着けるだけで優しい気持ちになれる、心につけるジュエリー”。月や星々、ネコやカエル、ラクダ、ゾウ、キリンといった動物たちがモチーフの手作りアクセサリー・ネックレス・リング・指輪
moge 山口光司
手作りアクセサリー
DECOvienya(デコヴィーニャ) 手作りアクセサリー ― 動物たちが日々直面している現実を、リアルにかわいく、時にはブラックなユーモアを交えて形にしたアクセサリーブランド
DECOvienya
手作りアクセサリー
OHFOREST(オーフォレスト) アクセサリー作家・ユージ大森 ― 木々のシルエットや森に住む動物や虫たちなど、自然のフォルムから感じる優しい形を表現したアクセサリー・ネックレス・ペンダント・リング・指輪
OHFOREST ユージ大森
手作りアクセサリー
Ventriloquist(ヴェントリロクィスト) ― 根本貴史さん・伊藤里恵子さんのデザインユニットが手がける、レザーや藍染めニットのがまぐちバッグ、レディースウェア
Ventriloquist
がまぐちバッグ
工房織座 ― 愛媛県今治市にて、昔ながらの織り機を改良し、独自の織りを追求して制作された、ストール・マフラー・キャップ・帽子
kobooriza−工房織座−
ストール・マフラー・帽子
MOUNTAIN DA CHERRY(マウンテン ダ チェリー) ― 岡山県倉敷産の帆布を使用したトートバッグ・かばん・巾着
MOUNTAIN DA CHERRY
倉敷帆布のトートバッグ
ウールのバッグ フェルトのバッグ ニット編みのバッグ
POUR LA PAIX
ウール素材のバッグ
PEARL FISHER(パールフィッシャー)−バッグ作家・西周さつきさんが手がける帆布とレザーのトートバッグ・ショルダーバッグ・ボストンバッグ
PEARL FISHER
帆布とレザーの手作りバッグ
Lano(ラノ)−アクセサリー作家の平野朋晃さん・平野未央さんが手がける、真鍮と天然石の手作りアクセサリー・ピアス・ネックレス・リング・ブレスレット・手作り腕時計
Lano(ラノ)
真鍮と天然石のアクセサリー
marship(マーシップ) ―アクセサリー作家・沼尻慧(ぬまじり・さとい)さんが手がける、「秘密の森」に住む動物・植物たちをモチーフにした手作りアクセサリー・ネックレス・リング・指輪
marship(マーシップ)
動物・植物のアクセサリー
ブロンズ造形作家・コイズミタダシさんが手がける、コビトのブロンズオブジェ・ブックマーク・ネックレス・リング
造形作家・コイズミタダシ
コビトのオブジェ・アクセ
アクセサリー作家・磯 俊宏さんが手がける、雑貨やファッション小物をミニチュアにしたようなネックレス・リング・ピアス
small right
ミニチュア小物アクセ
おりがみトート−日本一の帆布の産地・倉敷の帆布職人さん、デニム職人さんたちのご協力を得て、生地から特注して制作していただいた、当店オリジナルのトートバッグ
おりがみトート
舟形トート / リベットトート
pure blue japan(ピュアブルージャパン)−国産ジーンズの本場である倉敷・児島にて、ジーンズをメインに展開するブランド。染色手法や素材、織りを工夫し、様々な「ブルー」を表現!
pure blue japan
ジーンズ / トップス
MIZRA(ミズラ)−拠点とする京都の伝統、文化を肌で感じながら、高度な生地加工や染色、グラフィックによる表現を駆使し、素材に独自の表情を加えたリアルクローズ
MIZRA(ミズラ)
ボトムス / トップス / etc.
京都発デニムブランド mizra(ミズラ)−「和的洋装」をコンセプトに、日本伝統の染色・伝統工芸の技術と、独自の生地加工技術を融合させたジーンズやトップスなどを手がける京都発ブランド
mizra(ミズラ)
ジーンズ / トップス
mellow out(メロウアウト)− グラフィックデザイナー・籾山佳範さんが手がけるオリジナルブランド。ポップでクールなデザインの中に、さりげなく心にひびくメッセージもちりばめたTシャツ
mellow out
デザインTシャツ
絵師・冬奇(ふゆき)−京都を拠点に活動する京友禅絵師にしてアーティスト。日本画や京都の伝統技術と独自の感性を融合させた作品も制作されています。
絵師・冬奇
絵画作品

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作り手インタビュー 〜創作の現場から〜
京でん 竜田昌雄さん
「手にした人が誇りにできる もの作りを目指して。」


引っ越し間もない工房兼事務所にて。トレードマークの帽子にメガネ、
人懐っこい笑顔には、人をほっとさせるオーラが。

今回ご登場願った「京でん」の竜田昌雄さんは、これまでの作家さんとは少しスタンスが違う、“ブランド”の作り手です。

京都の文化を世に伝えたいという思いをこめた「京でん」を2005年に起業、京友禅とジーンズを融合させたオリジナルブランド「禅」でデビューし 一躍、大きな注目を集めました。

それから11年。その歳月は、従来のファンを大切にしながらも、新たなクリエイティブを追求しブランドとして 育て上げることに骨身を削る日々でもありました。

その結果が、ようやく形になりつつあります。

今後の展開への前線基地となる工房兼事務所を訪ねました。

手描き京友禅ジーンズのパイオニアとして


─独立して起業されるまでは、どんなお仕事をされていたのですか。

高校でアルバイトをしている頃から働くのが大好きで、早く社会人になりたくて卒業後はすぐに就職しました。

いくつかの転職の後に入った会社が小さなアパレルメーカーで、最終的には商品企画から営業まですべて任されました。ここでの体験が僕の人生を変えたと思っています。


─会社を背負って立つ勢いだったんですね。

人がどんどん辞めていく中、8年間いましたから。とはいえ自分が着たいと思う商品を扱っているわけではなかったし、企画力がないとよく怒られもしました。

社長はワンマンで言うことは矛盾だらけだったし(笑)。でもそんな体験も含めて、本当に感謝しているんです。

だって世の中って矛盾だらけじゃないですか。あの時の経験がなかったら、今とても耐えられないなと(笑)。そのまま勤め続ける道もあったのですが、父の病気で働き方に融通が必要になったので、思い切って退職し、独立を決めました。


─「京でん」にはどんな思いをこめられたのですか。

これまでの経験を生かして自分のブランドを作ることにしましたが、申し訳ないことに「これが作りたい」という大層な志があったわけではないんです。

ただ、京都で生まれ育ち、アパレルの経験も京都で積ませてもらったこともあり、自分にとって一番身近な「京都」の文化、技術が広く伝えられるブランドにしたいと思いました。社名もそのまま「京伝」、最初は漢字だったんですよ。


京友禅手描きジーンズ「禅(ZEN)」。 竜田さんが最初に立ち上げたオリジナルブランド。日本文化に深く刻まれた「禅」の精神をモットーに、作り手の思いが伝わるもの作りを追求されています。

本金銀箔を施したものなどもあり、バリエーション豊かに展開される手描きジーンズ。

─そこから手描き京友禅とジーンズという組み合わせはどういう経緯で。

ちょうど和柄のブームが始まった頃で、京都ならではの技術と、流行りのものを組み合わせて新しいものを作ろうと思ったんですね。

ひとつ、自分への縛りとしたのは、勤めていた会社への礼儀上、これまでの仕入先、得意先には手をつけないということでした。そこで最初に思いついたのが、和柄を入れたベルトでした。

当時はまだ電話帳が普通にあった時代でしたから、まずは手当たり次第電話してみようと、何軒かベルトをつくっていらっしゃる会社の電話番号をピックアップして1軒めに電話したところが、ジーンズの革パッチをつくっていらっしゃって。

こんなことがしたいんだという話をするうちに、ジーンズを扱うのはどうですかと、友禅の技術でジーンズに絵を描いている人を紹介してくださったんです。


─思ってもみない方向に転がったんですね。しかしそれが結果オーライだったと。

いや、最初は既成のジーンズに友禅で絵だけを描いたものを商品として小売店に持ち込んだのですが、相手にされず(笑)。

きちんとブランドとしてやっていこうと、本場・岡山に通ってジーンズ作りから始めました。僕の原案をもとに手描き友禅で柄を描き入れてもらい「禅」が誕生したわけです。

完成した40本のジーンズを持って、専門誌で調べた和柄ものを扱っている店に飛び込み営業をしてまわりました。

幸いにも、大阪・アメリカ村と東京上野のアメ横の2店舗が、快く扱ってくれることになりましたが、そこから先が行き詰まり…。

特に地方に行くと、こちらに不利な相手の条件をのまざるをえないことも多くて。これはしんどいなと思い始めて、売り込み先をメディアに変えたんです。


─パブリシティということですか。

いやあ、当時はなんにも知らなくて、雑誌の記事広告を見て「こんなふうに載せて欲しいな」と(笑)。

僕はやりかたが汚くて(笑)「今、ちょうど前まで来ているので会ってくれ」と出版社の前から電話したり(笑)。

意味わかりませんよね、京都からわざわざ来てるのにちょうど前にいるって。そこまでしないとまともに扱ってもらえないのはわかっていましたから。

「担当者がいない」と言われても「いつならいらっしゃいますか」と食い下がって、とにかく会って話す。担当者に会えばなんとかなるという自信はありました。

その勢いで4、5社まわって、2誌が誌面に紹介してくれました。それが想像以上の反響を呼んで、そこからはもう、一気に来たという感じですね。

1年後には「禅」に合わせる革小物のブランドとして「達磨」を立ち上げ、こちらもご好評いただきました。でもこの勢いが続いたのは5年くらいでしたね。


和小物ブランドの「達磨(だるま)」。「禅」の兄弟ブランドとして誕生し、ウォレットや革小物を中心に展開されています。こちらは、亀の甲羅型の型押しが施された革を使用したウォレット「玄武」と、京念珠のウォレットロープ「玄武」。外注先に制作依頼していたウォレットは、 現在は自社生産に切り替えています。

時計作家のARKRAFT・新木秀和さんとコラボレーションした「達磨(だるま)」の手作り腕時計も好評です。

長い「迷走」の時期を越えて


─「禅」も「達磨」も根強い人気がありますが。

もちろん需要はなくならないし、アイテムも増やしています。変わらずファンでいてくださるお客さまには、本当に感謝しています。

でも和柄ブームの終焉とともに、当初のような売り上げは望めなくなってしまって。もう一度あの勢いが取り戻せる商品を、と僕自身あせったんですね。

思いつくものをどんどん形にしていきました。中には、早々に引っ込めたものもあります。ふんどしがそうですね(笑)。

いろんなメディアに取り上げていただけて、いける!と思ったのに、全く売り上げに結びつかず、頭を抱えました。そんな迷走が、結構長く続いたんです。


─アイデアを次から次へ実現させるパワーは凄いですよね。ダメだという判断はどこで下されるんですか?

「禅」の勢いを経験しているから、その手応えがないとダメだなと思います。

いま一度、禅ほどの勢いでいくものが出せないと、会社は先細ってしまう。しかも、この5年の間には、うちのメインとなりつつあった革製品の作り手が確保できずに、商品がずっと欠品状態だった時期もあったんです。

その頃は東京の職人さんにお願いしていたのですが、やはり自分たちの目が届くところでやっていくことが大事だと思いました。


─需要があるのに作れないというのは一番辛いですよね。

一時期は僕自身が縫製もしようと、習いにいったりもしました。しかしまた不器用で…ええ、これも迷走のひとつですね(笑)。

何もかも空回りした時期がありました。そんな状況を目の当たりにして、会社に自分自身の未来を描くことができなくなったのでしょう。

長く一緒にやってきてくれた社員が二人、立て続けに辞めてしまって。あの時が、一番辛かったですね。自分のやってきたこと、すべてが否定された気がして、落ち込みました。


─そんな中でも、少しずつ認知度の上がってきた新ブランドが。

立ち上げ自体は、3年ほど前になるのですが、これまでとは発想を変えて作り上げたのが「COTOCUL(コトカル)」です。

「禅」以来、京都の伝統や技術を全面的に押し出してきたんですが、それはもうあって当たり前だと思うようになってきた。

さらに一歩進んで、使う人がそれを持っていること自体を誇りにできるような、ひとクラス上のものをと提供したいと考えました。

まずシンプルなiPhoneケースを作り出したのですが、ぼかし染めの鮮やかな発色で、少しずつ評価をいただくようになってきました。



「COTOCUL」とは古都(コト)+ culture(文化)を組み合わせた造語。写真の商品は、「地生(じなま)」といわれる希少性の高い皮に、着物の染色技法で知られる「ぼかし染め」で手染めした 長財布

黒桟革(くろざんがわ)とともに次なるステージへ


─そしてまた、運命的な出会いがあったんですね。

2015年の秋のことです。革のことをもっと勉強したくて、いろんな場所に顔を出していた時、ある展示会に出展されていた「黒桟革(くろざんがわ)」が目に飛び込んできて。

甲冑や高級な剣道防具に使用されているもので、これは面白いと思ったんです。興味をおぼえた理由のひとつに、僕が剣道をやっているということもあります。

話はさかのぼりますが剣道を始めたのは6年前、きっかけはふんどしです(笑)。なんとか売れる層をと探している時に、「剣道をしている人はふんどしを身につけているらしい」という話を耳にして、剣道の道場に売り込みにいったんですよ。

ま、デマだったことがわかるんですが(笑)。そこでちょっと竹刀を振ってみるかと言われて、やってみたら妙に楽しかったんですね。

それからずっと続けてきたことが、今回につながったわけで…まあ、人生無駄な経験はないということです(笑)。すぐに黒桟革の生産者である坂本弘さんがいらっしゃる姫路に行き、一緒にやらせていただく話がまとまりました。


黒桟革をバックに、熱く握手を交わす京でん・竜田昌雄さん(画像左)と坂本商店・坂本弘さん(画像右)。

作業をする黒桟革の生産者・坂本さん。黒桟革は姫路伝統の白なめしを施した革を染色したあと、表面に凸凹をつけます。


そこに漆を塗って乾かす作業を8〜9回繰り返してようやくできあがるという、たいへん手間暇のかかるものです。しかも現在、この革を作れるのは世界でも坂本さんご夫妻ふたりだけ。


製品として仕上がった黒桟革。見る角度によって、表面に塗り重ねた漆がきらきらと輝くことから「革のダイヤモンド」と呼ばれます。


─黒桟革シリーズのデビューにあたっては、クラウドファンディングという手法をとられたんですね。

儲けは度外視で、まずどのくらいのニーズがあるか知ろうと思って。

すると、予測をはるかに超える伸びで、公開5日目にして目標金額の200%を達成、その後も凄い反響があり、これはいけるという確信を得ました。

殺到する注文に応えるには職人が圧倒的に足りなかったのですが、この時、唯一残っていた社員のTくんが意外な才能を発揮して、縫製を早くきれいに仕上げてくれるようになって。

この成長で、彼を職人として頼れるようになったのは大きな収穫でした。


黒桟革で制作した「COTOCUL」の長財布(画像左は藍染め画像右は黒染めの長財布)。 その贅沢なまでの高級感は、「人と違ったものを持ちたい」という思いをかなえます。

いまや京でんになくてはならない職人となったTさん。「『禅』のファンだったのを、スタッフに迎え入れて。最初、営業をやらせたらとんでもなかったんですが(笑)適材適所とはこのことですね。彼にも来てよかったと思ってもらえる会社にしていきたいと思っています」。

─さらに追い風になるような嬉しいニュースも。

ええ、2016年9月にパリで開催された世界最高峰の国際ファッション素材見本市「プルミエール・ヴィジョン」で、なんと坂本さんの黒桟革が日本企業として初めて、「プルミエール・ヴィジョン賞・皮革部門ハンドル賞」を獲得したんです。

世界の頂点ですよ。現に世界の名だたる企業から引き合いもきているそうですが、大量生産はできませんから対応が難しい。

逆に言えば、僕が出会うのが1年遅かったら、一緒に商品を作ることはかなわなかったかもしれません。



黒桟革は日本初の「プルミエール・ヴィジョン賞・皮革部門ハンドル賞」を受賞。トロフィーを手にし、笑顔の坂本さん。


─まさに世界に誇れるブランドとなったんですね。

まだ業績は完全に立ち直ったわけではないし、「COTOCUL」の認知度を上げていくためには、もっと努力が必要です。

特に世界の最高賞を獲得した黒桟革のシリーズを、大事に育てていきたいと思っています。ただ、必要以上に背伸びして大きく見せることはしたくない。

僕自身、ここまでいろんなことを乗り越えてきて、自分なりにたどり着いた境地は「等身大」なんです。

「禅」を立ち上げた当初は、「すごいブランドだ」と思っていただくことがブランディングだと信じていました。商品に作り手のプライドを託していたんですね。

でも、今は違うかなと思う。そんなにいい格好しないで、「いろいろ失敗しました」「今は3人でやっています」「もう一度スタートします」って、ありのままの自分たちを見ていただくことがお客さんの安心につながっていくのかなと思うんです。


─魅力ある商品さえ作れば、それが自ら語ってくれるということですね。今、目標とされているのはどんなことですか。

「京都発信の世界ブランドを作る」、世界に認めてもらえる商品を作っていきたいという目標は、最初から変わりません。

あとは、会社の存在意義として、身近な人が潤っていかないといけないと思うので、苦しい時を支えてくれたスタッフ、得意先、それから家族にも、京でんと関わってよかったと思ってもらえるようにがんばりたい。

苦しい時期はちょうど10年の節目で、変わらないといけないタイミングだったのかなと思っています。おかげであらためて自分たちで作って自分たちで売っていくスピード感の大切さにも気づけたし、体制を今一度しっかり整えて、また前に出ていかねばと決意を新たにしています。

結局は、人々に受け入れられるものを企画し、しっかりと作っていくことに尽きるんですよね。

人生、沈むこともあるけど、沈んだらあとは浮き上がるだけ。そして浮き上がろうとする者しか浮かべない。そう信じています。結果が出るまでは、自分との戦いですね。


─光はもう見えていると思います。いっそうのご活躍、楽しみにしています。本日はありがとうございました。


そんなことまで語ってしまっていいんですか?というくらいフランクに、まさに等身大の「京でん」を語ってくださった竜田さん。

これまでのお仕事が、さまざまな縁でつながってきたのも、このお人柄のなせる技だったと納得できます。

その不屈の闘志と、時代を読む力、軽やかなフットワーク、そして受け継がれた技へのリスペクトを融合させたクリエイティブには、これからも目が離せません。

(取材日:2016年11月16日/文:ライター・森本朕世)


京でんさんプロデュースのブランド&アイテム一覧

禅(zen)京友禅手描きジーンズ
京都のきもの友禅絵師ならではの技で描いた、二つと無い個性溢れるジーンズ
禅(zen)和柄Tシャツ・ジャケット
一点一点手作業で作り上げる日本の伝統美のあふれる芸術的なアイテム
禅(zen)バッグ・キャップ・小物
和柄を普段着られない方でもコーディネートに取り入れることができる和小物
達磨(だるま)和財布・小物
禅の兄弟ブランド“達磨(だるま)”使い手独自の表情が出てきた時に「完成品」となるものづくり
京でんさんスタッフが自ら手掛ける革小物ブランド
京でんさんスタッフが自ら手掛ける革小物ブランド


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